Project/Area Number |
17750110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Polymer chemistry
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
内藤 昌信 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (30346316)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 弱い化学的相互作用 / σ共役高分子 / コマンドサーフェス / 非古典的相互作用 / ポリシラン / 微粒子 / リモネン / らせん反転 / 円二色性 / 光学活性 |
Research Abstract |
本研究は、分子内・分子間の非古典的な微弱な相互作用を、鎖状高分子のコンホメーション変化(剛直性変化・不斉誘起など)に変換・転写・増幅させるシステムを構築することを目的とした。 理想的な鎖状高分子としてσ共役高分子ポリシラン(PSi)に注目し、剛直性・分子長が異なる各種PSiを合成した。得られたPSiのイソオクタン溶液中に、表面官能基としてOH基を持つ基板(マイカ、石英、ヒドロキシアルカンチオール自己組織化膜を固定化した金基板)を浸漬すると、PSiの反応活性末端基SiH基と、表面OH基との弱い水素結合によりシランカップリング反応が進行し、常温・常圧、ウェットプロセスでPSiを基板上に固定化することに成功した。 さらに、半屈曲性poly(isobutyldecylsilane, PSi_-1)と屈曲性poly(methylpropylsiane, PSi_-2)を用いて固定化メカニズムを詳細に検討したところ、持続長よりも短い分子長のPSi上は、PSiのアルキル側鎖基と表面OH基との微弱なCH/OH相互作用により、浸漬直後から主鎖軸が基板に対して水平配向して固定化された。さらに浸漬を続けると、隣接するPSi鎖のアルキル側鎖鎖間の微弱な分子間CH/CH相互作用および、SiH末端基と表面OH基間のSiH・OH相互作用などが相乗的に作用することにより、PSi主鎖の配向方向が水平から垂直へ自発的に再配置し、最終的にはほぼ垂直配向した高分子薄膜が得られた。一方、PSi_-1と同程度の分子長のPSi_-2は、PS_-1で見られた主鎖配向の相転移は見られず、PSiが糸まり状に絡み合い、マッシュルーム状構造体を形成した。 この結果、鎖状高分子鎖の基板上でのコンポメーションが、分子長と持続長の制御と、高分子/高分子、高分子/表面間での微弱な分子間相互作用の精密制御および増幅によって可能であることを明らかにした。
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