Project/Area Number |
17750119
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional materials chemistry
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
米山 直樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80312643)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | 有機伝導体 / 走査型トンネル顕微鏡 / 電荷秩序 |
Research Abstract |
(1)単結晶育成:θ-ET_2RbZn(SCN)_4(以下θ-RbZn塩)等の単結晶育成を継続的に行った。近年その電荷秩序状態にも注目されているα-ET_2I_3についても結晶育成を行った。 (2)θ-RbZn塩の低温STM観察:急冷相の170Kにおいて、二次元伝導面の分子像で、q=(1/3k1/4)に相当するモジュレーション構造の観察に成功した。このモジュレーションの存在自体はエックス線の実験で既に報告があるものであるが、今回の研究で初めてc軸方向に電荷が(1100)の空間パターンで配列することが明らかとなった。配列パターンの空間的ゆらぎが比較的大きいことから、10-20格子定数程度の短い相関長を持つドメインで形成された、モザイク的電子状態にあることが示唆される。 (3)その他電荷秩序有機伝導体のSTM観察=申請者が育成したα-ET_2I_3(α塩)、および東大物性研森グループより提供を受けたβ-(meso-DMeBEDT-TTF)_2PF_6(β塩)について室温でのSTM観察(トンネル電流像観察)を行った。STM像はバルク結晶の分子構造を反映して、再表面に位置するにもかかわらず、結像しやすい分子と結像しない分子があることがわかった。すなわち、伝導面内で分子積層がフラットに近いα塩ではすべての分子がほぼ均一に観察される一方で、β塩ではドナーが二量体構造を取るため、表面からわずかに深くに位置する分子ははっきりと結像しない。このことは昨年度までの成果で判明していたθ-RbZn塩でのドナー分子の見え方とも定性的に良く対応している。
|