液晶性一次元遷移金属錯体の合成と多重機能を有するソフトマテリアルの創成
Project/Area Number |
17750129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒岩 敬太 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (70336006)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 液晶 / 金属錯体 / 金属間相互作用 / 構造相転移 / 発光 / 自己組織化 / イオンペア / ラメラ / ナノ金属錯体 / Pt錯体 / ソルバトクロミズム / ナノファイバー / 金属金属結合 / 蛍光 |
Research Abstract |
Au(I)錯体はd軌道が閉殻であるにもかかわらず水素結合と同程度の強さのAu-Au結合を形成し、同時に特有の発光を示すことが知られている。これまでAu(I)錯体の結晶やゲルにおいて、Au-Au間の距離や結合構造に依存した発光特性が観測されている。このような発光特性を電場などで制御できれば、新しい錯体ナノ材料として展開できるものと期待される。本研究では、エーテル基を導入したアルキルアンモニウム誘導体に対イオンとしてAu(CN)2-を導入し、その結晶-液晶転移挙動ならびにAu-Au間相互作用の制御について検討したので報告する。 イオンペア化合物(C120C3NH3-Au(CN)2:化合物1,C120C3NHCOCH2NH3-Au(CN)2:化合物2)を新たに合成した。1の結晶は74℃で融解するが、この融液の降温過程において液晶相を与え(65-50℃)、この相において強い発光が特異的に観測された。一方、アミド結合を導入した2は結晶状態で発光を示し、80℃付近で強い発光(〜460nm)を示すラメラ相に転移した。このラメラ相は、室温付近まで冷却しても安定に存在した。この結果は,X線回折による構造評価によっても示唆され,安定な液晶相を形成していることが明らかとなった.1,2はアンモニウム塩の分子構造に依存して、多彩な相転移特性を示し、柔軟な秩序構造において特異的にAu-Au間相互作用が発現することが明らかとなった。 このように,従来メソゲン基を有することが液晶相を形成するのに重要であったが、金属錯体間の相互作用とイオンペアの分子構造を設計することによって,液晶相ならではの金属間相互作用を見いだすことが可能である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)