新規シロキサン系フォトリフラクティブ材料の開発とホログラフィーへの応用
Project/Area Number |
17750177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional materials/Devices
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Research Institution | Hiroshima University (2006) Japan Advanced Institute of Science and Technology (2005) |
Principal Investigator |
今榮 一郎 (今栄 一郎) 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90293399)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | シルセスキオキサン / アモルファスガラス / フォトリフラクティブ / 光導電性 / フレキシビリティ / シロキサン結合 / フレキシビリティー / 柔軟性 |
Research Abstract |
構造制御した籠状オリゴシルセスキオキサンは、籠構造の各コーナーにあるケイ素原子に有機系置換基を導入することができる、ユニークな有機-無機ハイブリッド型材料として、最近、新しいタイプの機能性材料への応用に注目を集めている。導入された有機系置換基は一般に放射状に面しているため、ここに光・電子機能性クロモフォアを導入すれば、これらのクロモフォアはオリゴシルセスキオキサン骨格の嵩高さとシロキサン結合の非共役性により、立体的にも電子的にも隔離され、凝集や二量化などクロモフォア間に生じる相互作用を抑制できるものと期待できる。このような背景から、昨年度、申請者は光電子機能基としてカルバゾールを有する籠状オリゴシルセスキオキサン(POSS-Cz)を設計・合成することに成功した。POSS-CzのDSCを測定したところ、1回目の昇温過程では、融解に基づく鋭い吸熱ピークが観測されたのに対し、2回目はガラス転移に基づくベースラインシフトのみが観測された。ガラス状態のPOSS-Czの粉末X線回折測定から、このガラス性固体が非晶質であることが確認できた(I.Imae, Y.Kawakami, J.Mater.Chem.,15(43),4581-4583(2005))。 今年度は、得られた化合物の固体状態におけるクロモフォアの凝集状態について考察する目的で、溶液状態と固体状態での発光特性について定量的に考察した。その結果、POSS-Czは固体状態においても溶液状態と極めて類似した発光性を示すと共に、その量子収率もほとんど減少していないことが分かった(I.Imae, Y.Kawakami, Y.Ooyama, Y.Harima, Macromol.Symp., in press (2007))。以上の結果から、本研究で設計したπ電子系クロモフォアを有する籠状シルセスキオキサンは、固体状態においてアモルファスガラスを形成すると共に、クロモフォア間の凝集が生じないために、光散乱や電荷のトラップサイトが存在しない優れた電荷移動材料として機能することが期待され、本結果が新規フォトリフラクティブ材料に新たな材料設計指針を与えるものと期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)