Project/Area Number |
17750199
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic industrial materials
|
Research Institution | Kurashiki University of Science and the Arts |
Principal Investigator |
草野 圭弘 倉敷芸術科学大学, 芸術学部, 助教授 (40279039)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | セラミックス / 備前焼 / 微細構造 / 酸素分圧 / 模様 / 色調 / 鉄分 / 青備前 / 窯変 |
Research Abstract |
備前焼粘土および稲ワラを種々の酸素分圧下で熱処理し、試料表面の色調と生成相および微細構造の関係について検討した。窒素中で熱処理した試料は黒色を示し、主な構成相はムライト(3A1_2O_3・2SiO_2)および石英(SiO_2)であり、大気中で熱処理した場合に生成するクリストバライト(SiO_2)は生成しないことが分かった。メスバウアー分光測定の結果、この試料中にはヘマタイト(α-Fe_2O_3)およびマグネタイト(Fe_3O_4)の生成は確認できなかった。この試料について電子顕微鏡観察を行った結果、ガラス相中に0.3μmの球状粒子が分散していることが分かった。電子線回折および元素分析の結果、この粒子は、α-Feであることが分かった。よって、この試料の黒色は、α-Feの生成によると考えられる。更に、稲ワラと接触していた試料表面にはリン化鉄(Fe_3P)が生成することが明らかとなった。 備前焼粘土および稲ワラをN_2:O_2=99:1の混合ガス中で熱処理すると,試料表面はオレンジ色となることが分かった.備前焼模様の赤色は、ムライトの分解により生成するコランダム(α-Al_2O_3)にヘマタイトがエピタキシャル成長したコンポジット粒子の生成により発色するが、酸素分圧が1%の混合ガス中で熱処理した試料中には、このコンポジット粒子の生成量が少ないためオレンジ色となったと考えられる。酸素分圧の増加とともにコンポジット粒子の粒成長が確認され、ρO_2=5%で最大となることが明らかとなった。このコンポジット粒子の粒成長に伴い、試料表面の赤色も深みが増すことが分かった。
|