Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
リビングカチオン共重合により,種々のポリ(4-ヒドロキシブチルビニルエーテル)共重合体を合成した。得られた共重合体は,ラジカル重合性基であるメタクリロイル基をランダムに有するものである。この合成は,シークェンシャルリビングカチオン重合によって合成した。前年度に得られた条件をもとに,高分子水溶液の温度応答性コアセルベートから,ハイドロゲルミクロスフェアを合成した。そのハイドロゲルミクロスフェアは,合成した高分子の分子量,メタクリロイル基,架橋濃度に依存した。例えば,ポリ(4-ヒドロキシブチルビニルエーテル)前駆体が数平均分量1.4〜3.7万の時,25℃で粒径462〜701nm,55℃の時282〜250nmであった。このことから,温度によって粒径を変化させることができ,その最大の大きさを高分子の分子量で制御できることが明らかとなった。また架橋時の濃度は,各コアセルベートが分離している希薄な条件が好ましく,メタクリロイル基の含有量が多いほど,温度による粒径の変化が小さかった。特に,コアセルベートから形成したハイドロゲルミクロスフェアにもかかわらず,分子量分布を制御することである程度粒径を揃えることができた。 次にカプセル化を検討した。先に得られたハイドロゲルミクロスフェアを作成する要領で,コアセルベートに芯物質を導入し,高温で光架橋した。芯物質としては,疎水性ビタミンであるビタミンE(α-トコフェロール)を選択した。UVスペクトルより,ビタミンEを内包したカプセルが確認された。 このような検討をもとに,有機溶媒中でのナノカプセルも検討した。例えば,メタクリロイル基を含むポリ(2-エトキシエチルビニルエーテル)共重合体をオクタン中に溶解し,温度を下げることで液滴を作成し,水の場合と同様に光架橋することで得られた。得られたナノスフェアは,芯物質導入によりカプセルになると考えられる。
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