Project/Area Number |
17760008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 剛 東工大, 理工学研究科, 助手 (70323805)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | III-V半導体 / スピントロニクス / スピン検出 / 円偏光 / フォトダイオード / ヘテロ接合 |
Research Abstract |
本年度は主にSpin-photodiode(Spin-PD)のデバイス特性の理論的検討と性能向上したSpin-PDでの実測値と検討結果の比較をおこなった。 1.Spin-PDにおける磁気円二色性(MCD)の寄与 スピン起電力効果(SVE)を研究する観点から、現在作製しているSpin-PDは非磁性半導体から成る。円偏光に依存した電気信号を取り出すために磁場を印加しており、そのため信号はSVEとMCDの二つの異なる現象の重ね合わせとなる。そこで、確立された太陽電池の光電流計算モデルを基礎としてMCD寄与分計算モデルを導き出し、実際に作製したSpin-PDの構造についてMCD寄与分を計算した。その結果、光電流全体に対して左右円偏光照射時の光電流差は-7×10^<-4>(1/T)程度の大きさであることがわかった。さらに実験値との比較からこの見積が正しいことが実証され、明確にSVE寄与分と分離することが可能となった。 2.ヘテロ接合におけるスピン伝導 Spin-PDに限らず半導体スピントロニクス素子にはヘテロ接合が必須である。しかしヘテロ接合のスピン伝導へ与える影響について検討した研究はこれまでなかった。そこで、90年代初頭に確立された熱電子放出過程を取り入れたヘテロp-n接合モデルを基礎として、Spin-PDにおけるスピン伝導について詳細に検討した。その結果、ヘテロ接合では、キャリヤスピン不均一を示す擬フェルミエネルギーのスピン分離が高い順方向バイアス電圧の下ではn-層からP-層へ引き継がれるものの、低いバイアス電圧下ではp-層ではスピン分離しないことがわかった。この結果は半導体スピントロニクス素子の設計において、ヘテロ接合への印加電圧が極めて重要であることを示している。 以上の結果は現在Applied Physics Letters誌に投稿中である。
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