Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
近年,有機電界発光素子(有機EL素子)へのスピン注入の研究が非常に注目されている.本研究では,強磁性陰極を有する有機EL素子を作製し,スピン注入により,素子の発光層のスピン状態を制御することによる,スピン偏極発光を観測することを目的とした.本年度(18年度)の研究内容と成果を以下に示す. 1・試料作製 前年度に引き続き,スピン偏極発光観測のための有機EL素子として,「ガラス基板/透明陽極(ITO)/ホール輸送層(TPD)/発光層(Al_<q3>)/トンネル障壁層(Al酸化層)/金属陰極M」という構成の素子を,スパッタリング装置および真空蒸着装置により作製した.金属陰極Mとして,強磁性体のFeおよび,比較のために非磁性体のAlを用いた.またスピン注入効果を検証するために,光励起による磁場中発光特性評価用の試料として「Si基板/金属M(FeもしくはAl)/発光分子膜(Al_<q3>)」を作製した. 2・特性評価 ・発光特性評価 スピン偏極発光測定システムを用いて,各素子からのスピン偏極発光特性を評価した.一方,光励起による磁場中発光特性評価を行い,スピン注入効果の証拠を示した.各素子からの発光に対し,スピン偏極度の発光層膜厚依存性を解析することにより,Al_<q3>発光層のスピン拡散長は60nm以下である,と評価した. 以上の成果は,論文として公表した(11.研究発表).本内容に対し,第20回分子工学若手夏の学校(平成18年8月)において依頼講演を行なった.同様に,第54回応用物理学関係連合講演会(平成19年3月)において依頼講演を行なった.
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