Project/Area Number |
17760030
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
|
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
佐々木 成朗 成蹊大学, 理工学部, 教授 (40360862)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | グラファイト / フラーレン / カーボンナノチューブ / ハイブリッド材料 / 超潤滑 / 凝着 / 摩擦 / 理論シミュレーション |
Research Abstract |
我々のグループでは、これまでの研究でC_<60>分子を封入したグラファイト多層フィルムの合成に成功し、限り無くゼロに近い最大静止摩擦力と動摩擦力を示す事を発見したが、そのナノスケールのメカニズムと制御方法は明らかではない。本研究では超潤滑のメカニズムを明らかにするため、フレークに挟まれたシステムの摩擦特性の研究に着手した。先ず前年度、カーボンハイブリッド材料の機械特性を計算するプログラムの開発に着手し、有限サイズのグラフェンシートに単一のC_<60>分子が挟まれる系を考えた。 それを踏まえて今年度はプログラムの拡張を行い、二次元方向に周期的境界条件を課して、無限大のグラフェンシートにC_<60>単層薄膜が挟まれる系を考えた。グラフェン/C_<60>単層膜/グラフェンの界面系で、C_<60>の六員環がグラフェンに配向するような配位でグラフェンの層間距離を徐々に縮めたところ、層間距離が1.3nmの近傍で系の全エネルギーが極小値を示し、安定構造を取る事が分子緩和計算により明らかとなった。これは昨年度の我々のグループの測定で得られた透過電子顕微鏡像が示す層間距離(トライボロジスト49,553(2005))と非常に良く一致した。(Current Nanoscience 3, pp. 105-115(2007)) 我々はまたグラフェンシートに挟まれた系の摩擦特性を動的に調べた。今回はOMCTS(オクタメチルシクロテトラシロキサン)溶液をグラフェンシートに挟み、グラフェンシートを一定速度で引きずった。引きずり速度を上げていくと水平力特性にカオス的特性が表れたので、これを一次元Tomlinson描像で説明した。(Applied Physics Letters 89, pp. 2231041-2231043(2006)) これら一連の研究に対して「イノベーション・ジャパン2006 UBSスペシャルアワード ナノテクノロジー・材料部門賞(2006年9月)」が授与された。また、本研究の昨年度の成果(トライボロジスト49,553(2006))に対してトライボロジー学会論文賞が授与される事が決定した。
|