単色分子線を用いた氷表面での化学反応の制御に関する研究
Project/Area Number |
17760034
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
近藤 剛弘 The Institute of Physical and Chemical Research, 川合表面化学研究室, 客員研究員 (70373305)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
|
Keywords | 気体-表面間相互作用 / 反射赤外吸収分光 / ルテニウム表面 / アモルファス氷結晶化 / 単色ヘリウム原子線散乱 / 水分子単原子層 / ナノクリスタル氷 / 非弾性散乱 / 純古典的2体剛体衝突モデル / ヘリウム原子線散乱 |
Research Abstract |
本研究の目的は単色分子線を用いて氷表面での化学反応を分子スケールで詳細に理解し制御することである。この為には、よく定義された氷表面を準備し、破壊することなく評価する手法を確立するが重要となる。しかしながらこれまで、その手法は確立されてはいなかった。そこで、本年度は昨年度に引き続きRu(0001)(単結晶ルテニウム)表面上におけるアモルファス氷結晶成長過程の解明と詳細な解析に取り組んだ。この結果、世界初となる単色ヘリウム原子線散乱,反射赤外吸収分光,及び等温脱離種(ITPD)計測の実時間非破壊同時計測手法を確立し、様々な成長温度条件において計測を行うことに成功した。これらの計測結果を理論計算と比較しながら詳細に解析することで、下記の新しい知見を得ることに成功した。 1.論争中だったITPDの解釈に決着をつけた:ITPDの脱離率は結晶性を反映して変化することを実験的に証明した。 2.理論モデル解析によりアモルファス氷薄膜層の結晶化はバルク内からのランダム核形成とそれに続く実効的な等方成長であることを実験的に明らかにした。 3.結晶化時の温度を変化させた計測を基に、結晶化に必要な見かけ上の活性化エネルギーが650±25meVであることを明らかにした。 4.CO吸着表面で行った結晶化過程計測との比較から、結晶化の最中に下地表面が析出するほどのモフォロジー変化が起きていることを見出した。 5.アモルファス氷結晶化温度の制御により結晶氷粒形サイズの制御を可能にした 6.結晶氷グレイン境界に存在する水分子に特異的な振動エネルギー特性を世界で初めて明らかにした。以上の研究成果は論文にまとめて専門誌に投稿し、査読を経た後に掲載され、世界に向けて発信された。
|
Report
(3 results)
Research Products
(18 results)