テラヘルツ波共振器型近接場分光による生物試料分光システムの開発
Project/Area Number |
17760038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied optics/Quantum optical engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 雄一 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20373285)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | テラヘルツ波 / 生物試料 / 分光 |
Research Abstract |
本研究では、水溶性の生体試料を分光するために単色かつコヒーレントなテラヘルツ波光源を高抵抗シリコンで作製した導波路を伝播させ、導波路周辺の近接場光で分光する手法の開発を目指した。テラヘルツ波光源にBWO(後進波管)を用い、集光光学系のビームウエスト部で導波管(直径2mm、長さ50mm)にカップルさせ、導波管の出口に検出器を置く構成とした。導波管から外部に空間伝播させた場所での強度分布をナイフエッジ法で測定し、その結果とJ.J.Degnanらの論文を元に、導波管内の伝播モードを確認した結果、エネルギー損失の最も小さいEH11モードであることが分かった。また、導波管周辺全体から均一に近接場が発生していることも確認し、単純な透過率測定では吸収が大きすぎて測定できなかった液体サンプルにおいても十分に相互作用体積を確保できる可能性があることが明らかとなり、本計測手法の特許出願を行った。さらにこの測定法で濃度の異なる糖水溶液中に導波管を配置し、濃度変化に伴う透過率の変化を測定したところ、濃度が高くなるにつれて透過率が高くなる傾向が確認された。これは、糖の増加にしたがい単位体積あたりの水分子の数が減少し、水の吸収が減少したためだと考えられた。(本研究成果は論文投稿準備中)次に、生体高分子(アビジンとビオチン)の相互作用を溶液中でリアルタイム計測する実験を行い、導波管周辺に固定化したビオチンとアビジンが結合する様子をテラヘルツ波の透過率変化として観測する初期実験に成功した。今後さらに基礎実験を行い、生体高分子の相互作用解析や、液体サンプルの分光分析ツールとして活用する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)