偏極光近接場を用いた有機分子薄膜の光加工法に関する研究
Project/Area Number |
17760040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied optics/Quantum optical engineering
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大平 泰生 新潟大学, 自然科学系, 助手 (10361891)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 応用光学・量子光学 / 量子エレクトロニクス / 超薄膜 / 近接場光学 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,光近接場の局部的な偏極状態を用いて,自由空間の光では成しえない有機分子薄膜光加工法を開発するととともに,ナノ構造化で発現する新たな機能性を開拓することである.本研究では,光反応性分子であるアゾ色素分子で形成した分子薄膜と偏極光近接場との相互作用について研究した.最終年度である本年度は,前年度までに得られた偏極近接場光によるアゾ色素分子の光泳動現象に関する予備実験結果を更に詳細に調べ,これらの素過程を明らかにする実験検討を行った.また,分子薄膜化条件等を検討し分子薄膜光加工法への応用と新たな機能性発現の可能性について検討した.まず,近接場中におけるアゾ分子の動的な振る舞いを評価するために、シアフォース顕微法を用いて,表面定在光波ポテンシャル中の分子薄膜形状変化のリアルタイム評価を行った.近接場光の電磁場分布に対する分子薄膜の形状変化を数ナノメートル分解能で観測することに成功した.近接場光の強度分布と分子系の拡散現象に起因する薄膜形状の経時変化が,極めて高い空間分解能で高感度に検出された.さらに,局部的に偏極した近接場光におけるアゾ色素分子の光泳動現象について,分子蛍光偏光解析および微小金属球プローブを用いて詳細に解析した.直交する偏極成分に対して再放出される分子発光の応答特性を調べた結果,分子薄膜上へのナノ構造形成過程に対応する発光過程,および近接場光の偏極状態に対応する分子配向性が示唆される偏光解析結果が得られた.本研究の成果は,近接場光の偏極状態を用いる分子系の空間的位置と配向の制御性を併せ持つ,新たな分子系の光操作法の基礎技術となるものであり,さらに分子の内部自由度の状態制御を組み合わせた分子マニピュレーションへと展開することで,高機能有機デバイス加工への応用も可能あると考えられる.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)