Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Research Abstract |
1.電磁場の固有値問題に対する固有値解析システムの構築 固有値解析の適用に対する需要が高まっている電磁場解析分野を対象とし,固有値解析システムの構築を行った.導入しやすい固有値解析ライブラリとしては,線形代数ライブラリであるCLAPACKに含まれるHouseholder法がよく用いられるが,Block Lanczos法を採用しているBLZPACKライブラリを用いることで,数百倍の計算速度が得られた.これにより,同手法が大規模固有値解析に適していることと,電磁場問題の固有値解析に適用可能であることが得られた. 2.IBDD-DIAG法の高速化を実現するアルゴリズムの開発 大規模固有値問題に対しても有効であると考えられ,これまで数億自由度規模の構造解析の実績があるIBDD-DIAG法に対して,計算工学的見地からのアルゴリズムの改良を行い,手法の安定性を保持したままで2倍以上の計算時間の高速化に成功した.これにより,右辺問題に帰着する固有値解析において,同手法を用いることで,大規模固有値解析を実用時間内に行える可能性が得られた. 3.IBDD-DIAG法の複雑形状モデルに対する有効性の検証 大規模固有値解析が必要とされるのは,可能な限り実物に近いモデリングを用いた数値シミュレーションにおいてである.しかし,実際の構造物がもつ,薄肉で複雑な形状では得られる剛性行列の条件数が大きくなることが知られており,固有値解析において最終的に解くべき式を解くことが困難となる.そこで,内部構造物まで詳細にモデル化した原子炉圧力容器の約2億自由度問題に対して,IBDD-DIAG法を適用し,地球シミュレータ2,048プロセッサを用いることで,約2分で弾性解析に成功した.これにより,複雑形状モデルに対する固有値問題解析にも同手法が有効であることが得られた.
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