Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
研究最終年度である本年度は,日本の液体ロケットエンジンHIIAの酸化剤として用いられている液体酸素に対して,広範囲の温度および圧力条件下において厳密な数学的モデリングを行った熱力学パラメータを数値計算コードへと組み込み,ClarkY11.7%翼形まわりの二次元キャビテーション流れで検証計算を行った.その結果,モデル式の解の存在範囲等の影響により,依然として数値計算コードに不安定性が残ること確認した.また,厳密な熱力学パラメータモデルを用いた極低温流体の数値解析と平行して,簡便な熱力学的効果モデルの検証計算を行った.流れ場には,熱力学的効果の小さい常温水(270K)と熱力学的効果の比較的大きい高温水(340K)における三枚周期平板翼列流れを用いた.その結果,非定常キャビテーションの熱力学的効果の解析における我々の厳密な熱力学モデルの有効性を確認した. 一方,極低温キャビテーション流れとの比較のためのターボ機械内部流特性の詳細なデータ取得を目的に,水一空気系の翼列内部において発生する非定常キャビテーションの流動解析を更に進めた.特に,キャビテーションサージ特性に関する研究では,キャビテーションサージ発生時の脈動現象における圧力波伝播のメカニズムについて解明した.さらに,線形理論におけるキャビテーションサージの発生条件式や振動周波数式等の数値解析への適用の有効性について議論した.具体的には,非線形理論におけるキャビテーションの動的特性パラメータを数値解析結果から算出する方法を2つ提案し,そのうち,2つの非線形データのそれぞれの時間平均の差から線形理論における微小変動量を評価する方法が有効であることを見出した.
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