Project/Area Number |
17760131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fluid engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
徳増 崇 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (10312662)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 分子動力学 / 燃料電池 / 電極反応 / 解離確率 / 触媒 / 解離障壁 / 熱運動 |
Research Abstract |
近年の地球温暖化問題への対策から、次世代電源として燃料電池への期待が高まっている。とくに固体高分子形燃料電池(PEFC)はその起動の早さ、動作温度の低さから現在最も注目されている。このPEFCでは電極触媒として白金(Pt)を使用しているが、この白金は高価である上に空気極においては高活性ではなく,さらに燃料極においても被毒などの問題を生じるため、燃料電池の高効率化、低コスト化を実現するためにはこのPt表面上での触媒反応のメカニズムを詳細に解析する必要がある。上記の理由により,本研究では触媒としてPtを取り上げ,また燃料電池の触媒反応の中で最も簡単な反応であるH_2の解離吸着現象に注目して解析を行った.計算手法としては,Embedded Atom Method (EAM)を使ったMolecular Dynamics (MD)法を用い,Pt表面上におけるH2の解離吸着現象を解析した.今年度は前年度に構築したシミュレーション手法を用いて様々な条件下における水素の解離確率の計算を行った。その結果、まず表面を構成するPt原子が固定されている系に比べて、T=300[K]程度の熱運動をしている系のほうが解離確率の入射エネルギー依存性に広がりがあることが明らかとなった。またこの原因を詳細に調べた結果、Pt原子が熱運動をすることによって表面のポテンシャルエネルギー面(PES)が劇的に変化し、そのため解離障壁が著しく変化することが原因であることを突き止めた。さらに入射分子の回転状態を変化させて解離確率を計算したところ、入射エネルギーが低い状態では回転エネルギーの低い状態のときには回転エネルギーの増加につれて解離確率が一旦減少し、その後増加に転じることが明らかとなった。これは回転エネルギーが増加するにつれて分子が表面からの束縛を受けにくい状態となり、そのためより低い解離障壁をとる配向になりにくいためであることがわかった。
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