Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
半導体デバイス製造に用いられるプロセスプラズマの粒子シミュレーションのためには,プラズマを構成する電子,イオンなどの荷電粒子や原子,分子,ラジカルなどの中性ガス粒子の間の衝突モデルが必要であるが,衝突断面積などの素過程のデータは決定的に不足している.イオン-原子間衝突は電極付近の強電界で加速されて基板やターゲットに入射するイオンのエネルギーに大きな影響を与えるため基板のエッチングレート,ターゲットのスパッタリングレートを考える上で重要である.また,イオンのエネルギーと運動量を放電ガスに与えるため中性ガス流れを考える上でも重要である.本研究課題では昨年度までに,Ar原子-Arイオン衝突,Ne原子-Neイオン衝突,He原子-Heイオン衝突について,イオンのドリフト速度や拡散係数などのスウォームパラメータが実験結果と一致する良好なモデルを構築した.今年度はこれらのモデルを用いて,直流マグネトロンプラズマの数値シミュレーションを行い,ターゲットエロージョンレートを実験と比較を試みたところ,実験結果と良好に一致した.このことは本モデルと本計算コードの信頼性を確かめ,今後の発展に繋げるために大きな成果であった. しかし,強磁場の場合には,荷電粒子の数密度が非常に高くなり,PIC/MCコードが不安定になった.このことは,プロセスプラズマのPIC/MC法特有の問題であり,PIC/MC法の適用可能範囲を抑制するものである.このことから,今年度の後半では,この問題の解決に力を注ぎ,数値計算法に依存した電子の人工的な振動現象が原因であることを特定した.この成果をプラズマの新しい安定的数値シミュレーション法の開発に生かすことができる.
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