Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
高速フレーム溶射は,機械部品の表面に耐磨耗性,耐食性,耐熱性などの機能を与えるドライコーティング法であり,あらゆる産業で必要とされる汎用の基盤技術である.しかし,燃焼ガスによる合金粉末の酸化のためコーティング強度は限界に達している.また,高温で酸化や窒化が生じるチタンなどの粉末の溶射は不可能である.本研究は,申請者が考案した温度制御室をもつ次世代型HVOF溶射装置により粉末の酸化を抑制してコーティングの強度を飛躍的に高めるための気体力学的な最適作動条件をモデル実験と数値シミュレーションにより明らかにすることを最終的な目的としている. 最終度である平成18年度は,窒素ガス噴射を行うことができる構造をもつ2段HVOF溶射装置のモデルを設計・製作し,気体力学的な実験を行った.本実験では,装置の上流側に位置する貯気室,その下流に接続した混合室および窒素ガス噴射室の圧力を測定した.さらに,2段HVOF溶射装置内における混合過程の詳細を明らかにするために,準一次元理論に基づく理論解析を行い,得られた実験データと比較した.その結果,解析結果は実験結果とよく一致した.本研究により明らかになったことを以下に要約する. 1)混合室の圧力を上げるほど,貯気室の圧力は増加する. 2)混合室の圧力を上げるほど,貯気室の先細ノズル出口でのマッハ数は減少し,窒素ガス噴射室の先細ノズル出口でのマッハ数は増加する. 3)本研究で用いた理論解析法により,2段HVOF溶射装置内の混合状態を予測することができる.
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