Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究課題では、液体窒素を作動流体とするキャビテーション実験装置を用いて、キャビテーションの熱力学的効果に基づくポンプ吸込性能の評価と予測手法の確立を目指した。研究の結果、以下のことが明らかにされた。(1)液体窒素用ポンプが設計流量点付近で運転されている場合、液体窒素作動時の吸込性能(キャビテーション性能)は、水作動時と比べて大きな改善が見られる。(2)設計流量から外れた部分流章域や、過大流量域などでは、設計流量点付近ほどの吸込性能の改善は得られない。(3)液体窒素作動時において、ポンプ管路系内の加圧、あるいは減圧によって液体窒素の温度が変化する場合、同一流量条件下でも吸込性能が変化する。これらの結果は、ポンプ内の流れ場と液体窒素温度がキャビテーションの発生形態とその熱力学的効果の大きさに影響を及ぼしていることに起因しているためであると考えられる。そのため、ポンプ吸込性能の評価と予測手法の確立を行うためには、液体窒素の温度と吐出し流量をパラメータとしたポンプ内部の圧力分布の計測とキャビテーションの可視化によって、ポンプの内部流れ場とキャビテーション発生形態との関係を詳細に明らかにするとともに、それらの結果を熱物性が異なり、熱力学的効果が小さい水を作動流体とした試験結果と比較し、ポンプ内部流れ場とキャビテーションの熱力学的効果の相互干渉がどのようにポンプ吸込性能に寄与しているかを解明する必要があることがわかった。
All 2008 2006 2005
All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)
八代高専紀要 第30号
Pages: 1-6
110006979857
日本機械学会2006年度年次大会講演論文集(2)
Pages: 201-202
第52回ターボポンプ分科会報告書
第1回キャビテーションの熱力学的効果に関する討論会
Pages: 1-1
第54回ターボ機械協会仙台講演会論文集
Pages: 88-93