Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
同軸噴流バーナを用いたメタン・空気噴流浮き上がり火炎を対象に,安定化に影響する因子を明確化し,その最適条件と火炎制御手法の確立への指針を示すことを目的として,実験と数値計算を行った.実験は,レーリー散乱法、アセトンPLIF(平面レーザ誘起蛍光法)を用いて火炎前方の未燃燃料濃度分布,PIV(粒子画像流速計)を用いて火炎前方の流速分布を測定した.計算は,総括反応モデルあるいはスケレタル簡略化反応モデルを含む二次元の軸対称計算コードを用いた.これより,以下のような結果を得た. 定常火炎の火炎最上流端に着目して,火炎に流入する混合気の濃度こう配をゼロから増加させると(吹き飛び限界付近の火炎を模擬),燃焼速度は増加した.その後,さらに濃度こう配を増加させると(安定な浮き上がり火炎を模擬),燃焼速度は減少して一定値に漸近した.このとき火炎は,後流側の輝炎の発光が強くなり,すすなどの排出が増加した.この傾向は計算でも同様であった.これらのことから,噴流型バーナにおいて浮き上がり火炎の吹き飛び付近の安定限界を制御する場合,火炎前方の流速に変化を与えることが有効である.また安定な浮き上がり火炎では,火炎前方の混合を促進させることで,有害排出ガスの生成を抑えられる可能性を示唆している. そこで,これらの二つの効果を同時に与えることが期待できる,高周波音響振動を火炎前方に与えて,準定常状態の火炎挙動を観察した.そゐ結果,浮き上がり高さが低下して安定性が向上し,吹き飛び限界が拡大した.また,輝炎の発光が減少し,前方での混合が促進されていることがわかった.これはアセトンPLIFの結果からも確認できた.このように,安定限界の向上は実現できたが,排出ガスとの関連が不明瞭なため,今後,CO, NOxなどの有害排出ガスと高周波音響振動による制御との相関を調べる必要がある.
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