Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
本研究はシート状圧電素子と自動制御型負性容量回路を組み合わせた遮音パネルを開発することを目的とした.実施計画は初年度では圧電材料の圧電性,弾性および誘電性,回路のインピーダンス特性,回路制御による圧電膜の振動特性および遮音性能の変化についてデータを収集し,それらを基に物性,電気,振動および音響の4つの現象を互いに関連づける制御理論を確立すること,次年度では,この理論を基に制御パラメータを選定し,従来のアナログ回路のインピーダンス特性をデジタルポテンショメータで自動的に最適化する手法を開発し,動作安定性と遮音性能を実験的に検証すること,最終年度は,AD/DA, DSPによるデジタル負性容量回路を開発することとした.研究成果として,はじめに制御対象となる圧電シートの誘電性と負性容量回路の電気インピーダンス特性から遮音性能制御の予測式を確立した.ここでは単一周波数に対する制御および広帯域制御における周波数特性を定量的に示すことに成功した.負性容量回路のコンピュータ制御化では,従来のアナログ回路にデジタルポテンショメータおよびAD/DAコンバータを導入した.従来のアナログ回路では制御幅は最適化直後で45dBが得られるが,30分後には10dBにまで減衰する.本研究成果は,デジタル制御化により安定に45dBの制御効果が得られた.DSPも試みたところ,演算速度は問題ないが,信号伝達速度が制御信号と音の位相ずれの原因となり,1kHz帯域のいわゆる可聴音に対する効果が得られなかった.以上から,本実験システムではデジタルポテンショメータによるコンピュータ制御化が有効であることが実証された.最終年度ではアプリケーションとしてイヤーマフを試作し,難聴の原因とされる3kHz-4kHz帯域の音を選択的に遮音することに成功した.
|