Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Research Abstract |
作業対象が備える性質がすべて直接知覚可能な形式で表出しているとは限らないために,人はまず何らかの操作を加えることで積極的に対象に働きかけてそこに隠されている状態や構造を揺さぶり出し,あるいは作業場に人工的な秩序や構造を与えてそれらの代わりになる効果的な認知資源を作り出すことで,対象の理解,そして作業への適応に物理的なインタラクションをうまく活用している.人間はこのように積極的に外界に対して働きかけること(=epistemic action)を通じて活動に必要な意味解釈をつくり上げる能動的な認知主体であるとの理解から,行為と密接に結びつくフィードバック情報が状況認識のための効果的な手がかりになる.そこで本研究課題では,人間操作者の操作入力とそれに対する自動機械の反応挙動の間の対応構造すなわち『入出力関係』に注目した.そして,両者の共同作業の遂行において操作者が識別しなければならない機械の状態問で入出力関係が十分に差別化されていることが,適切な状況認識と円滑な共同作業の実現を促すと考えた.これについて,自動車のACC(Adaptive Cruise Control)を対象に,ドライビングシミュレータを使って運転中のドライバのACCのモード認識を問う実験を実施した.まず,ドライバのモード誤認識の発生確率と入出力関係の類似性との関係を分析し,両者の密接な相関を確認した.さらに,機械の入出力関係を動作モード間で差別化するインタラクション設計によって,ドライバのモード認識が改善されることも確認した.人間と機械が緊密に連携を図る必要のあるタスク環境において,行為と密接に結びつくフィードバック情報を人間機械系の中にデザインしておくことは,円滑かつ安全な共同作業遂行のための効果的な支援になるとの結論を得た.
|