Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
ニオブ酸リチウム結晶(LiNbO3)をレーザー光によって数百MW/cm2以上で高強度励起すると,光子と格子振動が作るポラリトンを介した誘導ラマン散乱による広帯域テラヘルツ(THz)波発生が起こり,その発振線幅は数百MHz〜数THzの広帯域に及ぶ.このTHz波パラメトリック発生を礎にする従来のTHz波パラメトリック光源は,励起光のパルス幅の制約から大型となるため,励起光源を含むTHz波パラメトリック光源全体としては卓上程度となってしまうばかりでなく,その長パルス励起による非線形光学結晶の熱的損傷閾値がTHz波出力を制限していた.本研究では,トップハット型の強度分布をもつ短パルス幅の小型励起光源を用いて光源全体の小型化を図ると共に,熱損傷閾値を緩和し,高強度励起による発生THz波の広帯域化および高出力化を達成し,この結果は数値計算によるシミュレーションともよく一致した.この励起光源を使うことによって,15×20cm2程度の小型THz波パラメトリック光源から,出力100pJ/pulse以上(尖塔値60mW以上),帯域0.9〜3.8THzのTHz波を観測した.また,光注入を行うことによって,出力180pJ/pulse,発振線幅100GHz以下の波長可変THz光源を達成した.これは,この領域の粉や固体のスペクトルを得るのには十分な線幅であり,小型,簡便な本光源によって,生体応用研究への道が開かれたと考えている. また,生体サンプルや水溶液など水分を多く含む試料は,その強い吸収によって応用研究がすすんでいない領域であるが,この光源を用いることによってX線に代わる安全な非破壊検査手法として植物中の成分の非破壊計測などを進めている. 本研究の経過は,学術論文,国際会議,国内会議,著書,マスメディアによって広く発表・取材されていることからもこの分野の関心の高さが伺える.
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