Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
コンクリートのひび割れ抵抗性の一尺度として引張強度が考えられるが,その引張強度を直接的な設計因子として配合設計等に組み込まれていない.特に初期材齢においては,体積変化が著しいこともさながら,(引張)強度発現も同様に進行しているため,ひび割れ発生の予測を困難にしているため,その強度発現性を考慮した配合設計理論の構築は重要と考えられる. そこで本研究では,初期ひび割れ制御を主目的とした配合設計の基本的考えを求めるべく,ひび割れ抵抗性に関与する若材齢コンクリートの力学性状・変形性状を中心に実験的検討を試みた.さらに,ひび割れ抵抗性の向上を図るため,初期ひび割れ制御にしばしば用いられる膨張コンクリートについても,研究対象に組み込み,そのひび割れ抵抗性向上(主に引張強度)の機構について検討をあわせて行った. 先ず土木用コンクリートとして汎用的な配合を主対象として,割裂引張強度特性の時系列変化を数多くの試験を通じて,基本的な特性を調べるとともに,ひび割れ予測に要する力学性状である引張ヤング係数を調べるため一軸引張試験を実施した.その結果,水セメント比が一定の場合,結合材料であるセメント量の多少に拘わらず,若材齢コンクリートの引張強度が同程度となることが分かった.さらに圧縮強度と引張強度には,若材齢においても既往の関係式をもって概ね評価できることがわかった.このことは,若材齢期のひび割れ抵抗性(引張強度)を確保し,ひび割れ誘因子(水和熱等)を小さくするには,できるだけセメント量を少なくすること,さらにそのようなコンクリートは,一般的な基礎式(圧縮強度と水セメント比の関係)をもとにした配合設計理論をもって可能であることを表している.また若材齢期にある膨張コンクリートにおいても,骨材量を増加させること(これは結合材量を少なくすることと同義)が最も高い引張強度を得るために重要であることを示した.
|