Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究では,構造物の高寿命化・環境負荷低減の1つの方法として,免震・制振装置が導入された空間構造を対象とし,過大な入力地震動に対する性能設計法を提案する。本研究では,小中学校の体育館や大型スポーツ施設などの空間構造物(ドーム形状や円筒形状)を対象とする。この種の構造形式の設計法(または,応答推定方法)として,現行の限界耐力計算法の不自由さ(1モードに自由度を限定されていること)を解消し,大スパン構造物やシェル等などの空間構造物に適用可能な複数の振動モードを考慮したプッシュオーバー解析を提案する。この方法では,時刻歴応答解析することなく,地震力の強さに対応した最大応答値(加速度,速度,変位,断面力など)を精度良く推定することができることを示した。具体的には,下部構造の降伏層せん断力係数や履歴特性,地震動の入力レベル,を解析パラメータとし,提案した推定法と時刻歴応答解析の結果を比較することにより,本手法の適用性を検討した。さらに,1)免震・制振装置を導入することによる長寿命構造の実現性,2)免震・制振装置を導入することによる大地震時の空間構造の機能維持性能の向上度合いを定量的に分析するために,地震リスク・マネジメントで用いられる地震ロス関数(損失の期待値)や共用期間中に発生する複数の地震よる損傷費用期待値に注目した耐震性能評価方法を示した。本研究では,工場や体育館に多く使用されている中小規模の空間構造を対象とし,上記の指標を実際に計算し,その指標を用いた評価例を示す。これらの研究成果は,日本建築学会構造系論文集,構造工学論文集に投稿するとともに,国際シェル空間構造学会(IASS)の国際シンポジウムにて成果発表を行うことができた。
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