建築壁体の液水移動領域における吸放湿履歴に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17760469
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural environment/equipment
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小椋 大輔 京都大学, 工学研究科, 助手 (60283868)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | 熱水分同時移動 / 吸放湿履歴 / 液水移動 / 結露 / 独立領域理論 |
Research Abstract |
本研究では,液水移動領域における吸放湿履歴が材料の結露性状・吸放湿性状に及ぼす影響を実験・ 解析により明らかにすることを目的としている。 材料内の熱水分移動の基礎理論として確立された熱水分同時移動方程式において、物性値の持つ履歴特性については、未だ十分に分かっていない。これまで、ALCの平衡含水率及び水分伝導率の測定を行い、平衡含水率だけでなく水分伝導率にも吸放湿履歴が存在することを示し、独立領域理論により平衡含水率の吸放湿履歴の逐次予測が可能であることを示した。しかし、水分伝導率の履歴をどのように取り扱うべきかについては、実験と解析の対応がとられておらず、分かっていない。 ここでは、ALCを用いて結露・蒸発を繰り返す場合の実験室実験を行い、ガンマ線含水率測定装置による含水率挙動・水分移動性状を明らかにし、次に実験について履歴を考慮した解析を行い、その影響を検討した。解析には熱水分同時移動方程式を用いた。解析に用いた物性値の中で、平衡含水率、水分伝導率、熱伝導率、湿気伝導率については、別途測定を行っており、他は既存データから推定して用いた。平衡含水率については独立領域理論を基礎とした分布ダイアグラムを用いて履歴を考慮し、水分伝導率については、吸湿と放湿については2曲線のみを用いて履歴を考慮した。 検討の結果、以下の結論を得た。 1)結露実験、蒸発実験では、平衡含水率の履歴の考慮に加え、水分伝導率の値にも履歴を考慮すべきである。2)結露・蒸発を繰り返す実験では、平衡含水率の履歴を考慮し、吸湿時の水分伝導率を用いれば実験結果と比較的よく一致する解析結果が得られた。3)結露実験、蒸発実験、結露・蒸発を繰り返す実験の全てについて整合性が得られる水分伝導率は吸湿・放湿の2曲線のみで表すことでは不十分であり、履歴の過程によってその値を適切に変更する必要がある。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)