Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Research Abstract |
本研究では,直交する壁や床で形成されない建築部位を非整形形態と定義し,それらの形態が現代の建築空間においてどのような形で使用されているかという実情とその形態を生成する論理を明らかにしたものである。 17年度,18年度に行った研究に基づき,そこで明らかとなった,(1)類型的に把握した建築家による設計論理,(2)アンケート実験に基づいた形態使用の特徴,(3)形態への心理的イメージ,これらをふまえ,19年度は,さらに具体的な設計論理としての手法例の考案と,それによる具体的設計事例への実験的展開を行った。 設計論理の構築に当たって,これまでの結果から,形態の縮尺という,大きさに関する要因が,形態の持つ建築的意味への影響が大きいことを考慮し,特定の建築タイプにおける壁面分割による平面計画を適用例とした。さらに,多くの場合,複雑な形態が不可分の構成として現れるのではなく,類似的に変化しながら反復している場合が多いという特徴を考慮して,19年度8月に発表を行った研究での成果を元に,大きさにおいて類似的で反復的な構成を基本として,個々の要素にズレをもたらす形態の構成原理を作成し,それを用いて,3名の学生を被験者として,具体的な平面計画として学校建築についての設計実験を行った。 その結果として,17年度から18年度にかけて理解していた,心理的な「柔らかい」や「有機的」などといったイメージを形成することとは別に,直行の格子状の構成では不可能な空間構成の融通性をうむことが可能であるとともに,空間単位の反復や類似性を用いることで,規格化や標準化といった近代・現代の建築生産においては避けて通れない側面にも対応が可能である点について可能性を見いだすことができた。
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