Ll_0型FePt、FePdナノ粒子構造・磁気物性の透過電子顕微鏡による定量解析
Project/Area Number |
17760531
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 和久 阪大, 産業科学研究所, 助手 (70314424)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | L1_0型規則構造 / FePt / FePd / 規則不規則変態 / 磁気変態 / 長範囲規則度 / 単磁区粒子 / 高分解能電子顕微鏡 |
Research Abstract |
L1_0型規則構造を有するFePdナノ粒子の粒子サイズと極微構造・規則構造との相関を明らかにする目的で高分解能電子顕微鏡観察を行った。その結果、粒径約7-8nmのナノ粒子においても粒子全面に渡り規則構造の(110)格子縞が観察された。このとき、(110)面の周期が粒子端から粒子端まで連続的に続いており、微細なナノ粒子においても、その粒子周縁部近傍は必ずしも不規則構造とは限らないことが判明した。また、より粒径の小さいFePdナノ粒子の極微構造を観察した結果、粒径約4-5nm程度以下において、高温相であるFCC構造を有する不規則相が現れてくることが判明した。すなわち、FePdナノ粒子における規則化の限界粒径は約4nmである。ナノビーム電子回折図形の強度解析とマルチスライス法による強度計算の結果、粒径8nm以下において、規則度が減少することが明らかとなった。FePtナノ粒子の場合には、粒径2nmにおいてもL1_0型規則構造が保持されている様子が高分解能観察の結果明らかとなっており、FePdナノ粒子での結果とは対照的である。試料加熱ステージを用いた高温その場電顕観察の結果、平均粒径13nmのFePdナノ粒子の規則不規則相変態温度は約710℃であり、バルク合金と比較して変態温度が約80K低下していることが判明した。このとき、変態温度の粒径依存性ならびに変態温度以上での短範囲規則構造の存在が明らかとなった。一方、FePtナノ粒子について、電子顕微鏡内その場加熱観察を行ったところ、熱処理温度420℃の場合において磁場中熱処理の効果が現れ、この温度以上では磁場印加の有無による構造形態の相違が見られなかった。すなわち、粒径10nmサイズのFePtナノ粒子における磁気変態温度は約420℃付近と考えられ、バルク合金での磁気変態温度報告値と比較して約30K程度低い値であることが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)