鉛フリー・ピエゾセラミックスのハイブリッド焼結化による複合体ドメイン制御
Project/Area Number |
17760544
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
柿本 健一 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (40335089)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 鉛フリー / セラミックス / 圧電体 / ドメイン / 結晶配向 / 誘電体 / ラマン散乱分光 |
Research Abstract |
正方晶タングステンブロンズ(TTB)型構造の鉛フリーKBa_2Nb_5O_<15>セラミックスの常圧合成が可能となり、その圧電特性をはじめて測定した。プレス成形方向に対して平行(サンプルA)または垂直(サンプルB)となるように焼結体から2種類のサンプル試験片を切り出したところ、サンプルAでは自発分極方位のc軸結晶方位に一致する棒状KBa_2Nb_5O_<15>セラミック粒子が比較的整列して試験片の厚み方向に成長していた。その結果、サンプルBに比較してサンプルAでは厚さ方向の強誘電体残留分極値および圧電特性がより優れていた。150℃で35kV/cmの電界を印加してサンプルAの分極処理を実施したところ、厚み方向の電気機械結合定数k_t=0.436、圧電定数d_<33>=36pC/Nが得られた。2種類に切り出した試験片を比較することによって、鉛フリーKBa_2Nb_5O_<15>圧電セラミックスにおける電界印加時の180°ドメイン壁の動きに関した異方分極に関する知見を得た。この圧電物性値は,他の代表的なタングステンブロンズ型およびビスマス層状構造強誘電体の無配向セラミックス材料より比較的高い値を示すことを確認した。 本研究では鉛フリーピエゾセラミックスの新プロセシングと高機能化の可能性を探究するために、アルカリニオベート系TTB型強誘電体のKBa_2Nb_5O_<15>セラミックスをモデル材料として、その圧電特性を明らかにすることにはじめて成功した。KBa_2Nb_5O_<15>は結晶異方性をもつため、プレス成形体を作製する際に供する仮焼粒子の形状に応じて、焼結時に優先配向性が自然付与され、その結果、セラミックスの圧電特性に異方性が顕在化することが明らかとなった。例えば熱間一軸成形、反応性テンプレート焼結、あるいは磁場配向制御、等の強力な粒子異方操作を施せば、さらに優れた圧電特性が得られることが予想できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)