Project/Area Number |
17760549
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
北浦 守 福井工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (60300571)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ランガサイト / 反射スペクトル / 電子状態 / DV-Xa計算 / ランガテート / ランガナイト |
Research Abstract |
圧電結晶ランガサイトとその関連化合物であるランガテートおよびランガナイトの電子状態を吸収・反射・光電子などの分光学的手法により調べた。3つのサンプルの吸収スペクトルは大きく異なっていた。これは、サンプル作製時に導入された格子欠陥や不純物による着色に起因する。透明領域における反射スペクトルには裏面反射や散乱による付加的な構造が現れていたが、基礎吸収端以上のエネルギー領域では良く似た構造を示した。これは、3つのサンプルの電子状態がよく似ていることを示唆する。実際に、光電子スペクトルの結果もよく似ており、電子状態の類似性を強く支持する。また、バンドギャップエネルギーは、スペクトル構造から、ランガサイトが6.6eV、ランガテートが6.9eV、ランガナイトが6.6eVであると推定した。 実験結果をより詳しく解析するために、DV-Xa法による電子状態計算を行った。3つのサンプルの基礎吸収が酸素の2p軌道からランタンの5d軌道への遷移によって生じていることが判明した。計算から求めたバンドギャップエネルギーは、実験と比較的近い値をとることがわかった。各元素の真電荷を解析した結果、ランガテートとランガナイトはランガサイトよりも、(1)ランタンを含む面内のイオン結合性が強い、(2)それを挟む面内の共有結合性が弱い、ことが明らかになった。 従って、新規圧電性結晶の開発には、置換によるイオン性と共有性の制御が重要であり、ランタンを含む面内のイオン性増加が一つの鍵となることが明らかになった。計算で実験結果を正確に再現するためには,クラスタの選択以外に各原子の井戸半径をうまく設定しなければならず,現状では経験的知識に頼らざるを得ないことが判明した。
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