Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
Fe-30.5Pdの組成を有するアーク溶解インゴットを用いてガラス基板上にFe-Pd薄膜を作製した.また,同じインゴットを用いて液体急冷リボン材を作製した.リボン材の両面をエメリー紙で100μm以下の厚さまで機械研磨し,さらに,過塩素酸:酢酸:メタノール=1:1:8の混合液により室温で電解研磨した.この試料は室温でマルテンサイト相である.集合組織をX線回折実験により調べたところ,リボン材の法線方向に<100>ならびに[001]方向が配向する傾向があった.この試料を透過電子顕微鏡を用いて観察を行ったところ,試料中に二種類の界面が存在した.一つは厚さが数10nm程度のバリアント同士が<101>面に関して双晶の関係にあり,直線的であった.もう一つは,この双晶関係にある数10nm程度の厚さのバリアントの集合体同士による界面で,ジグザグ状であった.マルテンサイト変態を光学顕微鏡で観察すると明瞭なコントラストを示すのはこのバリアントの集合体で,試料表面に大きな起伏を生じる.バリアント変換を示す界面は数10nm程度の厚さのバリアントによる<101>双晶面である.多結晶の場合,細かいバリアント界面による起伏は数nm程度であるためブレーキパッドに用いるには起伏が小さすぎるが,バリアントの集合体による起伏は,バルク試料の場合その表面を指でなぞると十分に凹凸を感じるほどであった.透過電子顕微鏡中で対物レンズの電流値を変化させたが,いずれの界面も明瞭に変化する様子は見られなかった.今後,磁場の方向ならびに強さを制御しながらバリアント変換を観察できる方法を考案するすると共に,マルテンサイトバリアントの集合体を制御して得られる摩擦係数の知見を得る.
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