集束イオンビームを利用した溶射スプラット周辺における微小応力分布測定技術の開発
Project/Area Number |
17760589
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
渡邊 誠 独立行政法人物質・材料研究機構, コーティング・複合材料センター, 主任研究員 (00391219)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 溶射 / コーティング / 集束イオンビーム(FIB) / 残留応力 / 電子線モアレ法 / 高速フレーム溶射(HVOF) |
Research Abstract |
【背景と目的】 近年、大きな注目を集めているウォームスプレーやコールドスプレーといった新しいコーティング手法では、粒子を溶融させることなく固相のまま基材へ衝突させ、皮膜を形成する。これらのプロセスでは、粒子の衝突による運動エネルギーの熱エネルギーへの変換、基材へ導入される塑性変形や残留応力が、皮膜の基材との密着および皮膜内の粒子同士の密着を支配している。さらに、この密着の程度が皮膜の諸特性や寿命に直接結びついている。したがって、微小な単一粒子の衝突を実験的に定量評価し、プロセスパラメータと相関づけることが望まれている。本研究ではそのための手法を開発することを目的としている。 【研究方法】 二年間の研究を通じ、(1)電子線モアレ法を適用するための基材(炭素鋼、銅)表面への、電子線リソグラフィーによる微小な金グリッド作製法の最適化、(2)固相粒子の衝突による粒子および基材の変形過程および最終的に導入される応力場・ひずみ場の有限要素法を用いた解析、(3)直径50μm弱の粒子1個を約500μm四方の領域内へ衝突させるためのスプレーシステムの構築、(4)さらに単一の溶射粒子を実際に基材へ衝突させ、電子線によるモアレ縞の変形から微小粒子衝突に伴う塑性ひずみ場の測定を行った。(5)また、集束イオンビーム(FIB)技術を用いたスプラットの断面観察およびスリットの導入とそれに伴うひずみ場変化の測定を行った。 【本年度得られた知見】 上記のアプローチにより、速度500〜1000m/sという超音速にて飛行する大きさ50μm程度の粒子が基材へ衝突することにより生じる変形場を定量的に測定することに世界で初めて成功した。また、数値解析から予測可能となった変形場と良い一致が認められ、そのひずみサイズは、材料の組み合わせに依存して数%〜20%程度であった。この変形量と粒子の密着数の間には相関が認められ、固相粒子の密着のクライテリオンを評価する有効な手法となりうることが認められた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)