分子シミュレーションと膜透過理論による高透過選択性膜の探索と設計
Project/Area Number |
17760600
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Properties in chemical engineering process/Transfer operation/Unit operation
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古川 信一 阪大, 基礎工学研究科, 助手 (50333448)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | ナノ材料 / 分子シミュレーション / 膜透過理論 / 非平衡 / 膜分離 / 無機材料 / 拡散 / 吸着 |
Research Abstract |
膜の分離機構の解析と透過選択性の評価に強力な分子シミュレーション法である境界制御型非平衡分子動力学法に新しい境界制御アルゴリズム(供給側にμVT-MC法・透過側にGibbs-MC)を適用し、透過側ガス組成が未知である混含ガスの透過を適切に再現する手法を開発した。この新しい分子シミュレーション法を用いてモデル混合ガスの透過シミュレーションを行った結果、弱吸着成分の拡散係数が小さいと透過分離係数が増加することが分かった。つまり、本研究で提案してきた高透過かつ高分離選択性を実現する膜設計指針の有効性を、分子シミュレーションによって実証した。さらに、細孔内の透過分子の密度が飽和状態に近くなると、拡散係数の小さい成分による透過の抑制効果が大きくなり、透過分子の拡散速度の差に由来する分離係数の増加が期待できないことが分かった。 また、分離膜への応用が期待されているメソポーラスシリカに着目し、モンテカルロ法を用いて細孔表面修飾メソポーラスシリカ/アルコール/水系の吸着挙動を解析した。その結果、細孔表面の修飾により疎水性に切り替えたメソポーラスシリカでは、純ガスでは水を全く吸着しないが、混合ガスではアルコール分子と共に凝縮性吸着を起こした。これは、両親媒性であるアルコール分子が疎水性細孔壁表面に吸着することによって、アルコール分子がもつ親水基で細孔壁表面の親水性が増加するためであることが分かった。 次に、膜透過を表す理論として妥当であると報告されているMaxwell-Stefan(MS)式に着目し、分子シミュレーションの結果を基にMS式の本質を分子レベルで解析した。その結果、透過分子間と透過分子-膜間の相互作用で透過分子に働く力より見積もられる透過ポテンシャルバリアとMS式の拡散係数は反比例に関係があることが分かった。さらに、透過方向に対するバリア間距離が透過分子サイズの整数倍でなければ、透過分子間の衝突により働く透過方向の分力が働くために、透過ポテンシャルバリアが減少することが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)