Project/Area Number |
17760640
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Aerospace engineering
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
坂井 真一郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (10342619)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 人工衛星 / フォーメーションフライト / 相対位置制御 / 超電導磁石 / 制御工学 |
Research Abstract |
本研究では,複数衛星の相対位置を制御し全体であるミッションを構成するフォーメーションフライト衛星に対し、超電導コイルを用いてその相対位置を制御する独創的な手法に関するものである。本補助金ではその中でも特に、同技術を近地球周回衛星に適用する場合に必要となる技術に焦点を当てている。 近地球周回衛星の場合,超電導コイルが生じる巨大な磁気モーメントが地磁場との間に大きなトルクを生じ、衛星の姿勢を乱すことが問題となる。本研究ではこの問題に対するために、二つの衛星の超電導コイルには同じ周期の励磁電流を流し、その励磁電流間の位相差を制御することで、二つの衛星間に生じる磁気力を制御し、衛星間の相対位置を制御する手法を提案している。 本研究では既に、超電導コイルの励磁電流間の位相差を制御する手法を提案しており、昨年度に実施した研究においてその有効性が実験的に検証されていた。本年度はこれを受けて、実際の超電導コイルを含むハードウェアインザループと呼ばれる実験システムを構築し、制御システム全体としての提案手法の有効性を検証した。このシステムにおいては、励磁電流の位相制御は実際の超電導コイルを用いたハードウェアで行われている。その励磁電流値をリアルタイムに計算機で読み込み、その励磁電流が衛星に生じる力を計算し、二つの衛星の運動を実時間で計算する。この計算機には相対位置制御系も構築され、励磁電流間位相差の指令値を、位相制御回路に出力する。これにより、クローズドループシステムの挙動を調べることが可能となっている。人工衛星の純粋なダイナミクスは、かなりの精度で計算機シミュレーションにより再現できるため、電気回路やその制御システムをハードウェアで構築するこのような手法は、制御システムの検証には大変有効であると考えている。 このような実験システムを用いた研究により、本提案手法の制御システムとしての妥当性を実証することができた。その過程では、励磁電流の振幅制御精度が衛星蓄積角運動量に無視できない影響を及ぼすため、蓄積角運動量管理が重要であることが明らかになるなどの新たな知見も得られており、単なる妥当性検証以上の価値がある実験結果が得られている。これらの成果は、すでに学会などでも発表されており、また学会誌論文としても投稿済みである。
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