ヘリウム・水素同位体照射下におけるプラズマ対向材料の動的リテンション特性
Project/Area Number |
17760668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nuclear fusion studies
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩切 宏友 Kyushu University, 応用力学研究所, 助教 (80325480)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 透過型電子顕微鏡 / 核融合炉材料 / イオン照射効果 / プラズマ対向材料 / 水素同位体 / 格子欠陥 / ヘリウム / タングステン / 重水素 / 照射効果 / 核融合材料 / 水素 / ボイド / 昇温脱離実験 |
Research Abstract |
本研究は水素同位体及びヘリウム照射下における各種プラズマ対向材料の動的リテンション特性についての基礎的かつ系統的なデータを取得し、ITERやLHD等の各種大型装置が長時間放電時に生じうる問題点を明らかにし、関連する研究者に必要な知見を提供することを目的として行った。動的リテンション特性を十分に解析するための要衝は材料中に形成されるナノレベルの欠陥の挙動にある。本課題研究においては、ダイバーター環境下でのタングステンの使用を考慮し、1273K以上の高温領域におけるヘリウム照射効果に関する基礎的な知見を得ることを目的とした。この温度領域においては、従来までに制御された照射研究はほとんど行われておらず、その学理の解明に必要なデータが非常に少ない。具体的には1273K以上の温度でヘリウムイオン照射後、材料内に形成される微細損傷組織を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いることによって観察した。得られた代表的な結果を以下に示す。 (1)照射温度が高くなるにしたがって、バブルの密度が低下した。この現象は、ヘリウムバブルの安定核形成効率の低下及び形成されたバブルがブラウン運動などにより試料表面から脱離可能な温度領域にあることに起因している。 (2)1473Kでのバブルは球形ではなく角張った形状を示した。したがって、この時のバブルの圧力は平衡圧よりも低く、バブル中のヘリウム濃度は1273K照射の場合に比べてかなり低くなっている。 (3)照射温度の上昇に伴い、粒界部でのバブルの成長がより顕著になり、特徴的な形状・配列が現出する。これは、照射温度の増加に伴い、粒界部における空孔の捕獲効率が上昇していることを示している。 (4)1473Kにおいて形成されたバブルは少なくとも注入領域の3倍(200nm程度)にまで存在していた。このことは、原子空孔とヘリウムが多量に拡散していき、深部においてもキャビティの核形成およびその成長が行われることに起因する。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)