Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
本研究は,超臨界二酸化炭素(Sc-CO_2)中に形成した有機酸水溶液の逆ミセルを利用した放射性腐食生成物の除染法に関して実験的検討を行ったものである. 模擬資料として,エタノールおよび純水で洗浄・乾燥したスチール管(φ10×10)を水蒸気雰囲気化において1273Kで2分間加熱することによって表面を酸化させたものを用いた.X線回折測定により,加熱処理した試料の表面はフェライトによって皮膜されており,3mol dm^<-3>硝酸水溶液へ溶解しないことを確認した.また,加熱処理した試料の表面の一部を削り,母材であるスチール管を硝酸に溶解し,残留したフェライト重量を測定することで,フェライトの堆積割合を算出したところ1.5±0.3wt%であった. 平成17年度に行ったSc-CO_2,ペンタデカフルオロオクタン酸,H_2O系の相平衡測定より得られた,3成分が均一な混合流体となる条件において,作製した模擬試料に堆積したフェライトの除染実験を行った.模擬試料とSC-CO_2,PFOA, H_2O混合流体を,温度323,353K,圧力25MPaで超音波を印加しながら4時間作用させることでフェライトの除染を行った.除染後の試料表面の一部を削り,母材であるスチール管を硝酸に全量溶解後,残留したフェライト重量を測定することでフェライトの除染率を算出した.温度353Kにおけるフェライトの除染率は92%であり,除染操作によるスチール管の溶出率は最大で7%であった.この除染率は除染係数に換算すると12であり,既存の化学除染法で期待される除染係数(6-10)よりも高い値であった.本手法により母材を損傷することなくフェライトを効率的に除去できることが明らかとなった.
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