マウスは胚盤胞の頃に既に雌雄の差を有しているのか?
Project/Area Number |
17770005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Genetics/Genome dynamics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 慎 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助手 (10397664)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 胚盤胞 / 雌雄差 / GFP / トランスジェニックマウス / DNAアレイ |
Research Abstract |
哺乳類の遺伝学的な性(雄はXY,雌はXX)は受精時に決まり、ついでSryの発現が引き金となって生殖腺の性が決まり、生殖腺からの性ホルモンが全身に作用して雌雄に様々なちがいを引き起こすといわれている。しかし着床前に雄は雌より早く成長するという報告があり、この時期の雌雄の性分化を示唆しているかもしれない。本研究では、哺乳類において生殖腺の性決定以前の胚盤胞で既に雌雄の差が存在しているという仮説をたて、マウス胚盤胞に注目して、雄と雌の胚で発現が異なる遺伝子があるかどうかを検討した。解析に用いた胚盤胞は見た目では雌雄の別を言い当てることはできない。そこで解析に用いた雌雄胚盤胞は我々の研究室で開発した性判別法を用いて選別回収した。この系はX染色体上にGFP(Green fluorescent protein)トランスジーンを挿入した遺伝子組み換えマウスを用いることにより、着床前のマウス胚で雌雄の判別を非常に高い精度で可能にしたものである。最終的に合計2000個の胚についてDNAマイクロアレイを用いて雌雄の遺伝子発現を比べた。その結果統計学上600個にも及ぶ遺伝子が着床前に雄と雌で発現が異なることを明らかにした。発現に差のある遺伝子の染色体上の位置を詳しく解析すると、多くの遺伝子がX染色体上に位置することが分かり、雌雄差はX染色体上の遺伝子の関与が大きい可能性が示唆された。更にこれらの遺伝子の雌雄発生に与える影響を評価するために、RNAiによるノックダウンマウス(KD)胚を作製する手法を確立した。現在まで申請者らはGFPトランスジェニック(TG)マウスをモデル系に用い、TG受精卵にGFPのdsRNAを打込むことにより、胚盤胞時期で緑色蛍光が完全に消失することを確認している。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)