Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
ワクチンの有効性の高い狂犬病ウイルスの外被糖蛋白質遺伝子を解析し、中和抗原領域に正の自然選択が働いておらず、おもに負の自然選択が働いていることを明らかにしてきており、このことがワクチンの有効性が高い理由と考えられる。蛋白質の特定のアミノ酸座位において、アミノ酸の性質を変える置換(非保存的置換)と、アミノ酸の性質を変えない置換(保存的置換)に働いている自然選択圧を区別して検出できる方法として、多くの相同な配列について系統樹を作成し、特定のコドン座位において、系統樹全体で起こった非保存的置換数と保存的置換数を推定し、それらの速度を同義置換速度と比較する方法を開発してきている。コンピューター・シミュレーションにより、この方法では非保存的置換と保存的置換に働いている自然選択圧を独立に検出できること、解析に用いられる系統樹の樹形は相当間違えていても信頼性の高い結果が得られること、さらに、コドン配列の解析においては終止コドン座位を考慮するべきであることなどが明らかになってきた。また、この方法を用いてヒト白血球抗原遺伝子を解析したところ、非保存的置換にも保存的置換にも正の自然選択が働いていること、あるコドン座位において非保存的置換速度が保存的置換速度よりも大きい場合には、必ずしも非保存的置換に正の自然選択が働いているとは限らず、保存的置換に負の自然選択が働いている場合があることなどが明らかになってきた。ダニ媒介性脳炎ウイルスの塩基配列を国際塩基配列データベースより抽出し、系統解析を行うことによって、このウイルスは日本とロシアの間で最低3回伝播が起こったことが明らかになった。また、伝播の年代は約数百年前と推定され、渡り鳥がウイルスを伝播した可能性が示唆された。
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Genes & Genetic Systems 82
Pages: 341-360
10024394841
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日本薬理学雑誌 126・1
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