Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究では、開花期間の違い、訪花昆虫の違いが同所的共存を可能にしているという仮説を検証するために、ルリミノキ7分類群、すなわち、Lasianthus brevidens, L.curtisii, L.fordii var.fordii, L.fordii var.pacbescens, L.hirsutus, L.verticillatus, L.wallichiiの開花数に関して、平成17年5〜6月の予備調査の後、平成17年7月から平成18年8月までの13ケ月間、沖縄県西表島の3箇所で本調査を行った。また、訪花昆虫の調査を開花期間中に数回行った。 開花期間は次の3つのパターンが見られた。(1)ほぼ年中少しずつ開花させるもの(L.hirsutus)、(2)年に1回開花ピークがあるもの(L.curtisii, L.fordii var.fordii, L.verticillatus)、(3)年に複数回開花ピークがあるもの(L.brevidens, L.fordii var.pubescens, L.wallichii)。年に1回開花ピークのある3分類群では開花期間の重なりがほとんどなかった。これに対し、年に複数回開花ピークがみられる3分類群では、開花期間が重なっていた。訪花昆虫に関しては、どの種にもオキナワクロホウジャク,タイワンキチョウ,クロアゲハ,セセリ類,ハナアブ類が訪花していた。 西表島において同所的に分布しているルリミノキ属7分類群の一部の種では開花期間をずらすことによって送粉および結実を行っていると考えられるが、開花期間が重なる種では、同時期に開花させることで送粉効率を上げ、さらに他種の花粉に関して強い不和合性を持っていると考えられる。また、L.fordii var.fordiiとL.fordii var.pubescensは開花時期の重なりはあるものの、開花フェノロジーのパターンが異なっていることから、別種として扱える可能性が示唆され、今後の研究が必要であることが明らかとなった。
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