Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
オロチジンーリン酸脱炭酸酵素の中でも、これまでの研究から比較的很質な結晶を得る条件が明らかとなっているMethanobacterium thermoautotrophicum由来の酵素を用いて研究をすすめた。反応進行中の酵素の結晶を瞬間凍結し、結晶構造の時間変化を観察することについては、これまでに見いだした、野生形ODCaseが6-cyano-UMPをBMPに変換する系以外にも、結晶内でも進行するいくつかの副反応を見いだした。これらの系について、詳しい解析をすすめた。今までに得た系を統合すると、ODCaseは通常の求核置換様の反応に加えて、いくつかの種類の求電子置換様の反応も触媒することが明らかになった。中性子回折・超高分解能X線解析については、結晶の質を改善するため、ODCaseのアミノ酸残基のうち、タンパク質間相互作用(すなわち結晶格子の形成)に関わる残基に着目し、部位特異的変異を導入することでより安定な結晶格子を形成できるようにする変異をいくつか導入した。共同研究先の、Lakshmi P. Kotra准教授らによって合成された基質アナログを用いて、ODCaseとの複合体を作成し、これらと野生型・変異型ODCase複合体の結晶構造解析を、1.2-1.8Å分解能で行った。以上の知見を基にした、ODCaseの反応触媒機構についでは、現在論文執筆中である。
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