Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Research Abstract |
チアデノシル-_L-ホモシステインヒドロラーゼ(SAHH)は,S-アデノシル-_L-ホモシステイン(SAH)をホモシステイン(Hcy)とアデノシン(Ado)に加水分解する酵素である.我々は,抗マラリア薬の開発に役立てるため,熱帯熱マラリア原虫Plasmodium falciparum由来SAHH(PfSAHH)のX線結晶構造解析を開始し,反応生成物であるAdoとの複合体の立体構造解析に成功した.しかし,Ado結合サイトのみを競合する既存のヌクレオシド型阻害剤は結合強度に問題がある.従って,PfSAHHに対し強力かつ種選択的新規抗マラリア薬を開発するためには,Hcy結合サイトを同定し,嵩高い阻害剤をデザインすることが必須である.そこで我々は,不活性型置換体(PfSAHH(inac))とSAHとの複合体の結晶構造の解明によりHcy結合部位を同定し,嵩高い阻害剤のデザインを目指すこととした.野生型PfSAHHの場合と同様の条件下でPfSAHH(inac)を精製し,基質SAHあるいは反応生成物Ado存在下でPfSAHH(inac)の結晶を得ることに成功した.高エネ研(つくば市)PF-AR NW12のシンクロトロン放射光を用い2.8Å分解能までの回折強度データを収集し,構造精密化を行った。PfSAHH(inac)のサブユニットの構造は,ヒトSAHH及びラットSAHHの阻害剤複合体やPfSAHH/Ado複合体と類似のclosed formであった.PfSAHH(inac)/SAH複合体におけるAdo部位の結合サイトは,PfSAHH/Ado複合体の場合と同様にドメイン間クレフトの奥であった.電子密度図から,SAHのAdo部分に比べHcy部分の自由度が高いことが示唆された.今回得られた知見に基づき,新たな置換体PfSAHHの機能解析や新規阻害剤のデザイン及び合成が進行中である.
|