セロミクス計測技術のための異種細胞間「コミュニティ・エフェクト」の解明
Project/Area Number |
17770127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University (2006) The University of Tokyo (2005) |
Principal Investigator |
金子 智行 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (90345067)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | アガロースマイクロチャンバー / 多電極アレイ / マイクロ加工技術 / 心筋細胞 / 繊維芽細胞 / コミュニティ・エフェクト / 電気計測 / 細胞間相互作用 |
Research Abstract |
本研究では臓器モデルとなる最小構成の細胞集団ネットワーク構築の可能性を検討することで細胞集団が持つコミュニティ・エフェクトの意味を理解することを目的としている。本年度は心筋細胞同士の接続による拍動の安定性や心筋細胞ネットワークパターンの違いによる拍動の安定性、細胞数を変化させたときの心筋細胞ネットワークの薬剤応答性、繊維芽細胞を心筋細胞間に配置したときの心筋細胞の拍動安定性について解析した。また、昨年度構築したアガゴースマイクロ加工技術と多電極アレイを組み合わせた1細胞培養計測技術を用いて、薬剤に対する心筋細胞集団の電気的応答の変化を計測した。 まず、心筋細胞同士の接続による拍動パターンの解析から、2細胞の場合は拍動周期の速い細胞に引き込まれるのではなく、拍動周期の安定している細胞に同期する現象を発見し、学術雑誌に発表した。次に、細胞ネットワークのパターンを格子状、放射状、直線状にして心筋細胞を接続させても形状によらず細胞数の増加に伴って拍動周期が安定する現象を発見し、学術雑誌に採用(in press)された。さらに、格子状に配置した4個と9個の心筋細胞ネットワークにハロペリドールという催不整脈を副作用にもつ薬剤を投与し、新たなドラッグスクリーニングの手法を提案した論文を投稿中である。また、心筋細胞間を繊維芽細胞で接続した場合、拍動は同期するが、拍動の安定性が低下する現象を発見し、現在論文を準備中である。最後に、昨年度構築した1細胞培養計測技術を用いて、Ca^<2+>の細胞内への流入を抑制するverapamilを作用させて心筋細胞の外部電位変化を測定したところ、濃度10nMで2分後には変化がなかったが、5分後にはCa^<2+>の電位変化を示す部位の変異量が減少する現象を観察した。今後これらの実験系を用いることにより、セロミクスデータベースの基礎となるものが構築できると期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)