Project/Area Number |
17770190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
橋本 寿史 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 助手 (30359757)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 腎臓 / メダカ / 嚢胞 / 遺伝性疾患 / モデル動物 / 多発生嚢胞腎 / 突然変異体 / ヒト疾患 / 疾患モデル / 繊毛 / 転写因子 |
Research Abstract |
メダカpcは多発性嚢胞腎症を発症する自然突然変異体である。pcでは腎尿細管特異的に管径の拡張が起こる。しかしながら、2006年7月に発表された論文、によると、ヒトではpcオーソログであるglis3の変異は新生児性糖尿病を引き起こすらしい。この報告を受けて、今年度本研究では、メダカとヒト・マウスのglisファミリー遺伝子を比較した。 glisファミリー遺伝子の発現 ゲノム上のシンテニーから判断すると、哺乳類のpcオーソログはglis3である。glis3の異なる3つの変異遺伝子座を持つ3家系においては、共通して新生児性糖尿病が認められる。3家系のうち1家系では多発性嚢胞腎を発症する。このことは、glis3は腎臓だけでなく膵臓においても重要な機能を担っていることを示唆する。そこで、メダカにおけるpc遺伝子の発現を調べると、膵臓において非常に強い発現が見られた。 哺乳類ではglis3の他にglisファミリーとしてglis1およびglis2の相同分子が報告されているが、いずれも機能は不明である。ゲノムデータベースの情報を基に、メダカのglisファミリーを同定したところ、メダカではpcの他に3つの近縁分子が存在した。これらの3分子はいずれも膵臓には発現していたが、腎臓では顕著な発現は認められなかった。 ノックアウトマウス 哺乳類におけるpc/glis3の機能を明らかにするために、理化学研究所CDB変異マウスチームと共同でglis3ノックアウトマウスの作製に着手し、ヘテロ接合体の単離に成功した。 pcと他のglisファミリー分子の腎臓における機能重複 pc変異体の胚でglisファミリー分子をノックダウンしたところ、腎臓もしくは膵臓にも何ら表現型は観察できなかった。 これらの結果から、メダカではpcだけが腎臓で特に重要な機能を果たしており、他のglisファミリー分子との機能的な重複は示唆されなかった。メダカpc変異体で膵臓に表現型が見られないのは、他のglisファミリー分子の相補によるのではなく、むしろ、魚類の栄養生理学的な特性によるのではないかと考えられる。
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