染色体工学的手法を用いた機能性に優れた新規ネギ系統の開発
Project/Area Number |
17780026
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Horticulture/Landscape architecture
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
執行 正義 山口大学, 農学部, 助教授 (40314827)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | 園芸学 / 育種学 / 遺伝学 / 農林水産物 / 野菜 / 染色体工学 / 機能性 / ネギ属野菜 / Cysteine Sulfoxide / ネギ / シャロット / 単一異種染色体添加系統 / アリナーゼ / 催涙因子合成酵素 / 含硫黄化合物 |
Research Abstract |
本年度は以下の四つの事項について実験および検討を行った。 1.催涙因子の生合成に関与する酵素遺伝子の発現解析 八種類のAllium cepa染色体をそれぞれ有するネギ添加系統と両親系統の葉しょう基部由来1st strand cDNAを調整し、それを鋳型に用いた催涙因子合成酵素遺伝子(lfs)のRT-PCRを行った。その結果、第5染色体を添加したネギ系統だけから、シャロットの特異的なlfs増幅産物が得られた。この結果から、第5染色体上のlfsはmRNAへの転写レベルで正常に発現していることがわかった。 2.酵素遺伝子のマッピング 辛味および催涙因子の生合成に関与する三つの酵素遺伝子について、A.cepa連鎖地図へのマッピングを試みた。分析の結果、その両因子の前駆物質生成の過程で硫酸塩を硫化物に還元するAPS sulfurylaseとSulphite reductase遺伝子がともに第3染色体の連鎖群に、また、A.cepa催涙因子合成酵素(LFS)遺伝子が第5染色体の連鎖群にそれぞれ挿入された. 3.辛味因子および催涙因子の分解物のガスクロマトグラフィ分析 夏期(2005年8月)にネギおよび添加系統葉身から粗抽出したCSO分解産物をヘキサンに吸着させて炎光光度検出器つきガスクロマトグラフィ分析を行った。1-Propenyl-CSO由来の2つのピークと2-Propenyl-CSO由来の3つのピークが分離され、そのピークエリアは各系統に含まれるCSO含量にともなって変化していた。特に、第5染色体が添加されたネギは他と異なるピーク特性を有しているようだった。 4.研究総括 本研究により、A.cepaの辛味と催涙因子の生合成および代謝に関わる遺伝子の染色体上での詳しい所在が明らかになった。これらの遺伝子は正常に機能している可能性が非常に高く、マッピングされた遺伝子は将来的にはタマネギ成分育種の際のDNAマーカーとして用いることができるだろう。また、A.cepa染色体を添加したネギ系統シリーズの中には、特定の含硫化合物を多量に含む系統が得られ、染色体工学手法による葉ネギ内容成分の改良に成功した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)