Project/Area Number |
17780038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant pathology
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
中畝 良二 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所果樹病害研究チーム, 主任研究員 (00355447)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ブドウ / カキ / ウイルス / ウイロイド / 診断法 / RT-PCR / 磨砕試料調製法 / サンドペーパー / 遺伝子 |
Research Abstract |
本課題では、国内に発生するブドウのウイルス・ウイロイド病やカキに発生する接ぎ木伝染性果皮障害について発生実態調査を行い、病原の究明と症状や被害との関係を明らかにすることを目的の一つとした。国内で栽培されているブドウの主要品種であるピオーネおよび巨峰で問題となっているルゴースウッド症状について重点的にウイルスとの関連を調査し、発症樹の全てからRupestris stem pitting-associated virus (RSPaV)が検出され、RSPaVが病原であることが強く示唆された(Nakaune et al., 2006;中畝ら、2007)。また、カキからはウイルスは検出されなかったものの、4種のウイロイドが検出され、そのうち1つは新種のウイロイドであると推定された。今のところ接ぎ木伝染性の果皮障害との関連は判然とせず、今後の研究の継続によって原因の究明が期待される。 一方、ブドウからウイルスの変異系統の探索・収集と塩基配列解析を行うとともに、得られた塩基配列情報に基づいて変異に影響されない高精度な検出・診断法の開発を試みた。国内から広くブドウ試料を採集し、RSPaVの系統解析を行ったところ、海外で報告されている4種の遺伝的変異系統を含む6種の系統が見いだされた。これら系統のゲノム解析に基づいて、全ての系統を高精度・高感度で検出できるPCRプライマーを設計することができた(Nakaune and Nakano, 2006)。また、ブドウの枝からウイルス診断に利用可能な磨砕試料の調製法を開発した。従来、果樹の枝から磨砕試料を調製するためには、乳鉢。乳棒等を用いた時間と労力を必要とする作業を強いられてきた。本課題において開発したサンドペーパー法を利用することで、ブドウウイルスのRT-PCRやエライザによる診断に使用する磨砕試料を従来法の約1/10の時間で調製できるようになった。ブドウの休眠期における枝を用いたウイルス診断が容易となり、1年を通してウイルス診断を実施できるようになった(Nakaune and Nakano, 2006)。
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