ミゾソバのカドミウム耐性機構と器官間における移行抑制機構の分子レベルでの解析
Project/Area Number |
17780049
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
|
Research Institution | Nihon University Junior College |
Principal Investigator |
新町 文絵 Nihon University Junior College, 生物資源学科, 講師 (20341935)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | カドミウム / ミゾソバ / グルタミン / ペクチン / Xylem-sap / アミノ酸 / ニンヒドリン陽性物質 / 器官特異的集積 / 節位 / 細胞壁成分 / ペプチド / 茎 |
Research Abstract |
ミゾソバはカドミウム(以下 Cd)耐性で体内に高濃度にCdを集積可能であるだけでなく、その集積部位が茎に特異的であるという特徴を持つ。このCd耐性および集積機構について解析を行っている。Cd処理したミゾソバ導管液中のCd濃度は処理濃度の約2倍であり、これまでにCd無害化と地上部への移行には未知のニンヒドリン陽性物質(F1〜F3)が関与していることを明らかにしている。そこでCd処理に伴うニンヒドリン陽性物質の種類と量の変化をTLCにより確認したところ、Cd処理濃度15μM、30μM、60μMで3日間処理したミゾソバから採取した導管液でF1が確認され、その量はCd処理濃度が高まるにつれて増加した。またF2、F3はCd60μM処理でのみ確認されたことから、Cdの地上部への移行や無害化には主にF1が関与しており、Cd量の増加に伴いF2、F3が誘導されて機能しているものと推察した。さらにこの物質の構成アミノ酸分析と標準アミノ酸とのTLC比較結果から、F1はGln、F2はVal、F3はLeuとIleの誘導体であることが示唆された。一方でCd集積部位である茎の細胞壁成分についても検討した。水耕栽培したミゾソバをCd120μMで1週間処理した後、細胞壁をペクチンI、II、ヘミセルロースI、IIおよびセルロースの5つに分画し、Cd分析を行った結果、熱水抽出(ペクチンI)に続き、ペクチンを架橋しているカルシウム(以下Ca)をシュウ酸アンモニウムではずすことで抽出されたペクチンII画分でCd含量がもっとも高く、集積にはペクチンが関与していることが示唆された。またミゾソバ茎の元素分析ではCd処理茎でCa含有率が低い傾向にあり、CdがCaの様にペクチンを架橋することで無害化・集積されているのではないかと推察している。今後さらに詳細な検討を行うことにより、細胞壁での集積形態を明らかにできると考えている。
|
Report
(3 results)
Research Products
(2 results)