Project/Area Number |
17780094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioproduction chemistry/Bioorganic chemistry
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
笠原 博幸 独立行政法人理化学研究所, 生長制御研究チーム, 上級研究員 (00342767)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | イソプレノイド / MEP経路 / メバロン酸経路 / 色素体 / サイトカイニン / トランスゼアチン / イソペンテニルアデニン / トレーサー実験 / 生合成 / メチルエリスリトールリン酸経路 / 植物培養細胞 / 植物ホルモン |
Research Abstract |
シロイヌナズナの野生型と未分化な植物培養細胞のイソプレノイド合成に於ける色素体のMEP経路および細胞質のメバロン酸経路の役割について調べた。シロイヌナズナT87培養細胞はメバロン酸経路阻害剤メバスタチンに対し野生型と同濃度で阻害作用が見られるが、MEP経路阻害剤ケトクロマゾンに対する耐性は非常に高く、T87培養細胞は野生型を白化させる濃度の50倍、タバコBY-2に至っては100倍の耐性を示した。このことから、培養細胞ではイソプレノイド合成におけるMEP経路とメバロン酸経路の寄与が変動しているのではないかと予想し、各経路の選択的な同位体トレーサー法を用いて各イソプレノイドの主要合成経路を調べた。その結果、T87培養細胞内のサイトカイニン(CK)では活性型のトランスゼアチン(tZ)量は変化していないが、前駆体のイソペンテニルアデニン(ip)型CK類は、多いもので90倍以上も野生型に比べて増加していた。このip型CKのプレニル側鎖は野生型でほぼMEP経路からのみ合成されているため、T87培養細胞では色素体におけるip型CK合成量が増加したのではないかと考えられたが、トレーサー実験の結果では反対にメバロン酸経路からの寄与が著しく増加しており、細胞質でのip型CK合成量が相対的に増えていることが示唆された。このip型CK内生量の増加は培養細胞の液体培地に添加されたオーキシンによりip型からtZ型へ変換するp450酵素遺伝子の発現が抑制された事が原因と考えている。また、メバロン酸経路の寄与が増加する点については、クロロフィルやステロールなど主要な代謝物におけるMEP経路とメバロン酸経路からの寄与の割合に変化は見られなかったため、培養細胞におけるイソペンテニル転移酵素の発現パターンの変化が主な原因ではないかとみてさらに検討している。
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