Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
本研究では,付着根型つる植物がホストとなる樹木を探索する際に,光環境に対して示す光屈性と伸長様式について明らかにすることを目的とした。 イワガラミ(35個体),ナツヅタ(39個体)は,一方向から光が照射される環境(12時間日長)で個体を長期間(順に,55日間および20日間)生育させ,シュートの屈曲を測定した。また,イワガラミ(15個体)は屈曲の進行過程をデジタルカメラで11日間,時間を追って記録した。 イワガラミ,ナツヅタの匍匐シュートを光傾度が生じた環境で生育させた結果,イワガラミは生育20日後に35個体中8個体が正の光屈性を示した。しかし,日が経過しシュートが成長すると正の光屈性を示す個体が減少し,生育55日後には35個体中32個体が負の光屈性を示した。ナツヅタも同様に,生育2日後には39個体中24個体が正の光屈性を示したが,日が経過しシュートが成長すると正の光屈性を示す個体が減少し,生育20日後には39個体中38個体が負の光屈性を示した。また,イワガラミ,ナツヅタで生育初期に正の光屈性を示した個体は相対的にシュートが短い個体が多く,逆に負の光屈性を示した個体はシュートが長い個体が多かった。イワガラミの屈曲をインターバル撮影した結果,匍匐シュートは昼間には正の光屈性,夜間には負の光屈性を規則的に示した。 以上のことから,ホストの平面構造を主に登攀する付着根型と吸盤型のつる植物は負の光屈性を示すことが明らかになった。また,イワガラミとナツヅタは正と負の光屈性の両方を有し,成長とともに負の光屈性によってホスト下部に到達することが考えられた。さらに,イワガラミは夜間に負の光屈性を発現させていることから,昼間の光傾度を記憶する生理的特性を有することが示唆された。
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