Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
本年度は,海産紅藻スサビノリのゲノム研究に向けた基盤技術開発のうち,1.遺伝子導入に関する方法の検討および確立,2.色彩変異体を用いた遺伝学的解析方法の樹立を中心に研究を行った. 1に関しては,昨年度までにクローニングに成功しているいくつかの遺伝子のプロモーター領域を用いて発現用ベクターを作製し,これらをスサビノリ細胞へ導入した後,レポーター遺伝子の発現を試みた.また,その際,導入における諸条件(DNA量,打ち込み時のサンプルとガンの間の距離,圧の強弱など)について詳細に比較・検討し,レポーター遺伝子の発現効率について解析した.この結果,一過性の発現ではあるが,外来遺伝子発現のための比較的安定した条件について多くの知見が得られ,今後の組換えによる遺伝子導入実験のために不可欠である基礎的な条件を確立することに成功した。 2に関しては,昨年度までに作出に成功しているいくつかめ新規な色彩変異株(緑色系2株・赤色系1株)のうち2株(MG型・緑色系とMRR型・赤色系)を選び,交雑実験を行った.その結果,これら変異体同士の交雑は成功し,交雑糸状体を得ることができた.この糸状体からは,単色(MG型およびMRR型)の葉状体のほか,MG型とMRR型の色彩からなる2,3,4,区分状のキメラ葉状体が得られた.さらに,このキメラ葉状体の各部位を単離し,培養を行い単胞子を放出させたところ,これらの胞子はすべて各部位と同じ色彩をもつ単色の葉状体となった.これらの実験から,スサビノリを遺伝学的解析に供するための基礎的な技術が確立された.
|