新規水溶性金属錯体を用いる水中触媒反応の開発と展開
Project/Area Number |
17790004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉田 昌裕 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (10344681)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 水中反応 / パラジウム / 二酸化炭素 / ボロン酸 / エポキシド / アルキン / 不斉反応 / アレン / カルベン |
Research Abstract |
今回研究実施者は含水溶媒中における遷移金属触媒の反応姓に着目し、高い触媒活性並びに効率を持つ新規遷移金属触媒反応の開発検討を行った。 最近演者等により見出されたパラジウム触媒を用いるプロパルギルアルコールとアリールボロン酸の直接的カップリング反応は、アリール置換アレンを簡便に合成する有用な方法である(Tetrahedron Lett.2004,45,5573.)。しかしながら本反応は光学活性な基質に適用した場合、生成物の不斉収率は大きく低下するという欠点があった。今回多様な脱離基を持つ光学活性プロパルギル化合物に対し、様々な条件下にて本カップリング反応を試みた。その結果、光学活性なプロパルギル化合物とアリールボロン酸に対し、含水溶媒中緩衝剤としてリン酸カリウム存在下にて反応を行うと、エナンチオ特異的な反応が進行し、光学活性アレンが高い光学純度で生成することが明らかとなった。本反応は安全、安価なボロン化合物を用い、また水存在下でも進行することから、簡便かつ汎用性の高い反応であるといえる。 また昨年度研究実施者は、含水溶媒中にてプロパルギルエポキシドに対しパラジウム触媒存在下アリールボロン酸を作用させたると、antiの立体化学を持つアリール置換2,3-アレノールが高い立体選択性で生成することを見出している(Tetrahedron Lett.2005,46,6705.)。そこで本反応の展開として、プロパルギルエポキシドとアルキンとの反応について検討を行った。その結果、パラジウム触媒をヨウ化銅とアミン存在下に作用させたところ、反応は進行しアルキニル置換2,3-アレノールがジアステレオ混合物として得られてきた。本反応は系内に生じたアレニルパラジウムと銅アセチリドのトランスメタル化を経て進行しているものと考えられる。本反応は高度に置換されたアルキニルアレンを選択的に合成する有用な方法であると言える。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)