動的速度論的分割を伴なうアンチ選択的不斉水素化反応の開発
Project/Area Number |
17790006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
牧野 一石 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教授 (20302573)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | イリジウム / ルテニウム / ロジウム / 動的速度論分割 / 触媒的不斉水素化反応 / β-ヒドロキシアミノ酸 / BARF / 光学活性 / 触媒的不斉反応 / β-ヒドロキシ-α-アミノ酸 / 異常アミノ酸 / BINAP / 不斉水素化反応 |
Research Abstract |
私はα-アミノ-β-ケトエステルのRu, RhおよびIrを中心金属としたキラル錯体による動的速度論分割を伴うアンチ選択的触媒的不斉水素化反応の開発に成功した。RuはC4位がアルキル基のものに対して有効であり,一方RhおよびIrはC4位に芳香環をもつものに対して優れた立体選択性を発現する。 とりわけイリジウム錯体に関してはNaBARFを添加し調製したカチオン性イリジウム錯体において,1気圧の低水素圧下においても動的速度論分割を伴う不斉水素化を行うことを見出した。本錯体は水や空気に対して安定であり,触媒調製を含めた一連の操作においてアルゴンガスなどの不活性ガスを用いる必要がないため操作性に優れている。また私はカチオン性Ir錯体が触媒する水素化についての反応機構を考察した。最初に水素圧とエナンチオ選択性の変化であるが,圧力の増加に伴いエナンチオ選択性が低下するという現象が観察された。一方,水素圧と反応初速度の関係は20気圧までは水素圧に対して直線的に増加するが,20気圧付近では水素圧によらず反応速度はほぼ一定となる。しかしながらさらに圧力を増加させると反応速度は増加していくことがわかった。このことから低圧と高圧水素条件ではそれぞれ異なる反応機構が支配的となっていることが考えられた。最も高いエナンチオ選択性で反応が進行する水素1気圧のもとでの反応速度論実験を行ったところ,触媒に関して1次,水素圧に関して1次,AcONaに関して1次であった。一方,基質濃度に対しては0次であったことから,1気圧の水素雰囲気下ではAcONa, H_2,Ir錯体が律速段階に関与することが考えられた。このような実験結果より動的速度論分割を伴うカチオン性Ir錯体による水素化反応の触媒サイクルを提案した。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)